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 中高生意識調査レポート  
  第2回 中高生は「アルバイト」についてどう考えているか
  
学校を卒業し、定職に就かずアルバイトを転々とする"フリーター"が増加している。
若者の職業に対する意識が変化しているとも言われている。
今回は、「高校生がアルバイトをすべきか」というテーマで、中高生に意見を聞き、そのホンネを明らかにした。


【サマリー】
○ 7割の中高生が、アルバイトは社会勉強になる、あるいはお金が稼げるということで、やるべきだと考えている。
○ 社会勉強とは、働くことの意義を知り、将来の職業を考える機会を得、人間関係の大切さを学ぶことだという意見が多かった。
○ 一方、アルバイトをやるべきでないと考えている残り3割の中高生は、勉強や部活、友達づくりなど中高生時代にしかできないことをやるべきだと考えている。
○ インターネットを使ったアンケート調査にもかかわらず、多くの中高生がこの問題について真剣に考え、問題意識の高さを感じた。
○ 印象的なのは、「自分のことは自分で決めるべき」という主体性を重視する意見が多かったことだ。勉強が大切か、アルバイトが大切か、という問題には絶対的な答えはなく、学校の校則や親の意見なども踏まえながらも、最後は自分の価値観で決めるしかないということであろう。

【INDEX】
1.中高生アンケートより
2.中高生がアルバイトによって得るものは何か
3.中高生は勉強をするべき?自分の好きなことをするべき?
4.主体性を持って決めよう!
5.まとめ
6.データ


全国の中学生・高校生に対し、インターネットのホームページを使った簡易なアンケート調査の形式で意見を聞いた。通常のアンケートではなく、あるケースを設定し、仮定の高校生が相談を持ち掛けている形式で質問しているため、調査結果は、計数データとしての価値はそれほど大きくないが、ホンネを聞けているという意味で、フリーアンサーに書かれた内容が興味深い。
   
 
1.中高生アンケートより
   
  アンケート結果からは、「アルバイトは社会勉強にもなってお金も稼げるからやるべきだ」という回答が半数を占めた。「お金を稼ぐために絶対必要」という回答と合わせ、アルバイトに肯定的な意見が7割を占める結果となった。実際には、高校生のアルバイト経験者は半数程度(「高校生のアルバイト等に関する調査・研究(平成11年、全国高等学校PTA連合会)」によると、52.1%)、中学生はそれ以下だと思われるので、自分が経験あるなしに関わらず、アルバイトをすべきと考えているようだ。実際にフリーアンサーの中には、「うちの学校はバイト禁止だけど、もし校則で禁止されていなかったら、私はバイトしたいです(中2女子)」というような意見も多かった。
アルバイトをやるべきでないという意見の約3割の生徒たちも、その多くがアルバイトそのものを否定しているわけではなく、趣味や勉強と両立できるのであれば、やるべきという意見も多かった。

◇設問
「アルバイトってしたほうがいいものなのでしょうか?というのも、僕がバイトしたい!って言ったら、ほとんどの友達が「バイトなんて大変なだけ」って否定的なんだよね。僕は社会勉強にもなるしお金も稼げるから、自分にもすごくプラスになると思うけど。みんなはどう思う?(神奈川県・公立高校1年・男子)」

◇回答項目
1) バイトすると、その仕事を深く知ることができるし、そこからビジネスの仕組みを知ることもできると思う。将来の仕事を考えるキッカケになることもある。バイトは社会勉強にもなってお金も稼げて一石二鳥。やるべきだよ。
2) なんて言ったって、バイトの目的はお金。自分で働いたお金なら、誰にも文句いわれないで好きなことに使えるから。バイトは自分のお金を稼ぐためにゼッタイ必要!社会勉強になるか、ならないか、なんて考えない。
3) 時間は貴重。時間に余裕があるときは自分の趣味やスポーツに打ち込むとか、友達と何かするとか、中高校生時代は、そういったことに時間を使った方がいいと思う。バイトに時間を割くのはもったいない。
4) バイトは、今はやるべきじゃないと思う。中高生は勉強をしっかりやるのが一番。時間があればあるだけ勉強するのが当然。働くのは高校卒業してからでも十分。
5) バイトなんて、疲れるからやりたくない。そんな大変そうなこと何でやりたいと思うのか意味が分からない。

◇回答結果
1)50.3%
2)18.7%
3)20.1%
4) 9.2%
5) 1.6%

◇回答を我々なりに分類すると以下のようになる。
1)社会勉強重視・肯定派……社会勉強になるのでアルバイトをやるべきというタイプ
2)バイト代重視・肯定派……お金を稼げるのでアルバイトはやるべきというタイプ
3)趣味重視・否定派……趣味や部活などの時間が大切なのでやるべきでないというタイプ
4)勉強重視・否定派……中高生は勉強が一番なのでやるべきでないというタイプ
5)楽したい・否定派……アルバイトそのものを否定しているタイプ
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2.中高生がアルバイトによって得るものは何か
   
  アンケートで「社会勉強重視派」が最も多かったわけだが、では、中高生たちは、どのような社会勉強ができると考えているのだろうか。フリーアンサーの中から、意見を拾い上げてみたいと思う。

◇働く意義が理解できる
「お金を稼ぐ事の難しさや大変さを知る事が出来て、お金を大切にするようになると思う(高1女子)」「今から働く事の喜びを知ることはいい事だと思う(中2女子)」
若者の就職意識が低下しているということをよく耳にする。それは、ひとつには、働くことの意義を喪失してしまっているということではないだろうか。実際に働くことを通じて働く意義を理解するということは可能であろうし、大切なことだと考えられる。
中高生の意見を見ると、お金を稼ぐ大切さ、自分のやりがい・喜びの発見という自分にとっての働く意義を見出そうという意見は多かったが、働くことを通じて、社会に貢献したいという意見は少なかった。中高生は社会的にはまだ与えられる立場であるから、仕方のないことかもしれないが、接客業など、自分のサービスにより客が喜ぶ顔を直接見ることが出来る仕事の経験は、自分が働くことが他人に役立っているという感覚を身に付けさせるには良いのではないかと思う。

◇自分の将来について考えることができる
「そのバイトをはじめたことによって自分が最もやりたいことが絞れたり浮かんだりもすると思います(中2女子)」「将来やりたい職業に近いバイトをすると、特にいいと思う(中2女子)」「2年生の時に、「職場体験学習」というのをやりました。すごく社会勉強になって、自分の将来の事について考えさせられた。できることなら、どんどんバイトとかしてみたほうがいいと思います(中3女子)」
中高生には、自分の将来の職業について考える機会が重要である。最近、学校でも職場体験学習が増えてはいるものの、まだまだ不足しているのが現状ではないだろうか。アルバイトと将来の就職が直接つながるとは限らないが、自分にどのような職業が向いているのか、どういう仕事であればできそうなのか、という感覚は大切であろう。

◇人間関係の大切さが学べる
「いろいろな人と関わりあいになれるし、人との接し方も学べるのでぜひ一度やってみるといいですよ(高1男子)」「社会勉強になるし、色々な人に出会って世界が広がるし、そこからの人脈が将来役に立つかもしれないから、私はいいと思いますよ(高2女子)」「社会状況もわかるが、それよりも学校と違う友達と仲良くなれることに引かれる(中3男子)」「社会での自分の立場とか、目上の人に対する礼儀とかも身につくと思う(中1女子)」
中高生は、普段クラスの仲間と行動することが多いであろう。そうなると同じ学校、同じ年齢の人との付き合いが多くなる。クラブ活動などでは先輩・後輩の関係もあるし、先生との関係などからも上下の人間関係は学べるが、やはりアルバイトなどをすると、全く異質な人との付き合いが多くなるのは確かである。そこから学ぶ人間関係は大切なことだと思われる。自分の立場や他人から自分がどう見られているのかという自己客観化をできるという意味では意義深いものと考えられる。

◇中高生も実は真剣に考えている
ご覧いただいたように、10代の中高生でも、しっかりと物事を考え、自分の意見を言える子は多い。身勝手な意見、的を得ない意見もなくはないが、大半は、相談者(アンケートの設定上、高校生がみんなに意見を求めている形式になっている)に対して、まじめにアドバイスしてあげている。以下のようにきちんとした意見をくれた高校生もいた。
「私は、現在高1ですが、コンビニで今年の春からバイトをしています。初めてのことの連続で、今までに体験した事の無い、お金をもらって働く、自分が、お客ではない立場で人と接するという新たな環境に身を置いて、とても新鮮で、今現在、毎日を生き生きと過ごしています。だから、私は、バイトには大賛成です。お金をもらって働くとはどういうことなのか、お金をもらう喜び、ありがたみ、そして、限られたお金を自分の意志と責任で使っていく、また、接客業を通して人と接する事についても、新しい角度で見ていく事が出来るし、何より、失敗もしたり、ドジを踏んで、先輩方に迷惑をかけてしまったり、お客さんに怒られたり、いろんなこともあるけど、そういう中で人間関係を学んだり、自分を見つめなおしたり、社会に身を置くことを知る、体験的なきっかけにもつながると私は思います。幸い、私はとてもあたたかな方にめぐり合う事が出来て、色々と教えていただきながら体験できるので、とっても感謝の気持ちで一杯です。どうぞ、一歩踏み出して、自分の環境に変化をつけてみてください。何か、今まで見えなかった事が見えてきたりもしますよ(高1女子)」

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3.中高生は勉強をするべき?自分の好きなことをするべき?
   
  中高生の意見を見ていると、中心課題になっているのは、勉強やスポーツとアルバイトとの「両立」である。アルバイトそのものを否定する意見は少なく、中高生として何を大切にすべきなのか、ということで意見が分かれたというのが実態のようだ。
中高生にとって大切なのは、勉強なのか、クラブ活動のようなスポーツや趣味なのか、友人と過ごす時間なのか、それともアルバイトなのか、ホンネの意見はどこにあるのか探ってみたい。

◇中高生は勉強が本業!
「高校生なんだから、学校の勉強に集中して、大学生になったら自分の夢に関わりのあるバイトをしたらいいんじゃない?(中1女子)」「中学、高校は一番勉強してて頭に入りやすい時期だと思います。そんな大切なときに、バイトなんてするものではないと思います!今しかできないことを楽しんでください(中2女子)」「せっかく自分の将来のために今まで勉強したって言うのに、中学高校は勉強一筋じゃなきゃ!!(中1男子)」
  アンケートで4番の回答をした人は、中高生は勉強が一番大切だと考えている人たちである。全体の10%弱であるが、予想外に多かったと感じている。なかなか真っ向から「勉強が一番」とは言いにくいものだと思うが、恐らく、ここでの回答はホンネで勉強が一番だと考えているのだと思われる。
  「両親が自分のために一生懸命働いて学費を出してくれているので、その思いにこたえるためにも学業に専念するべきだと思う(中3男子)」という両親の願いを一身に背負っている子もいるかと思うと、「学生の本業は勉強。勉強をしっかりやれば、親とかにもおこづかいふんぱつしてもらえるんじゃないかな?(中2女子)」というチャッカリした子もいるのが面白い。

◇今しかできないことをやりたい!
「趣味に打ち込むとか友達と遊んだりするのは今しか出来ない!(高1女子)」「バイトは高校卒業してからでも出来るので、今は高校時代にしか出来ないことをしておいた方がいいと思う。特に部活とかすると友達も増えるし、青春時代のいい思い出にもなるし(中3男子)」「学校の先生などは、今の友達は一生の友達と言っている。私は本当にその通りだと思う。私は"今"をもっと大切にしたい!!(中2女子)」
今しかできないことをやりたいという意見が多かったが、内容として多くのコメントがあったのは、クラブ活動と友達づくりである。どちらも、中高生時代しかできないものではないけれども、大人になってからのものとは質的に違う。上記の意見にもあったように、中高生のような多感な時期につくった友達は一生の付き合いになることもしばしばある。クラブ活動についても、ひとつのことに真剣に打ち込むという意味では、中高生時代が最も相応しい時期だと考えられる。アルバイトにおいても、中高生時代にしかできない経験はあるとは思うが、大人の世界に足を踏み入れることによる危険や社会的責任の存在など中高生にとって重荷になることが多くあり、必ずしもメリットだけを追求できない現状があることは否めない事実である。

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4.主体性を持って決めよう
   
  アンケートが、高校生がみんなに相談する形態になっていたので、回答者からは激励の言葉の一方で、叱咤の言葉もあった。その多くは「自分のことだから、他人の意見に左右されずに自分で決めろ」というものだった。
「自分がやりたいと思っているなら友達の意見に左右されずにやってみてはどうでしょう(中3女子)」「みんなに否定されても自分がやりたいんだったら、やればいいよ!とにかく、自分の行動に、悔いのないように(中1女子)」「自分に必要だと思うなら試してみた方がいい!!人の意見に左右されちゃだめ。私は必要ならやるよ!!(中1女子)」
若者に主体性がなくなっているとよく言われるが、コメントからはそれがじられないぐらい多くの「自分で決めるべき」という意見が出てきた。自分のことではなく、他人にアドバイスしているからなのか、それは定かではないが、自分勝手とは異なる、主体性を重視しているように受け取れる意見が多かったことは確かだ。
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5.まとめ
   
 

有名大学を出て大企業に就職すれば一生安泰という時代が終わったいま、職業というものに対する価値観が変容してきていると思われる。中高生にとってみても、大学進学を目標として受験勉強だけしていればいいという時代は終わり、自ら将来の目標を設定し、それに向けて進んでいくバイタリティが求められるようになっている。
その意味でも、中高生が世の中を知り、働くということを知ることが重要になってきているのは確かである。アルバイトはそのための一つの手段であるが、前述したように、様々なリスクを伴うことも事実である。高校では、許可制も含めれば半数以上の学校がアルバイトに制限をかけている(前出「高校生のアルバイト等に関する調査・研究」より)ということも、このあらわれである。
学校としては、アルバイトではなく、授業または課外活動の中で職業体験をさせていくことを真剣に検討してもよい時期になっているのではないか。行政が言うボランティアの義務化は行き過ぎとしても、何らかの社会参加をさせていくことがこれからの学校には求められている。一方で、家庭においても、子どもに対して、色々な職業に触れさせる機会をつくることは可能である。このようなことを意識的に行えば、子どもたちにとって何らかのプラスになることは確実である。
アルバイトをさせることも否定はしないが、中高生時代は金を稼ぐ時期ではなく、人格形成期であることを踏まえて判断していくべきであろう。

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6.データ
   
  ◇アンケート調査の概要
−調査内容:前述の質問内容
−調査方法:インターネットのホームページを使ったアンケート調査 当社が運営する中高生のためのホームページ「CUBE-E.NET」の「あなたならどう思う」というコーナーに参加した中高生が回答者
−調査対象:全国の中学生・高校生(ホームページ「CUBE-E.NET」の会員) −調査期間:平成12年9月22日〜10月26日(約1ヶ月間)
−有効回答数:731人(中学生509人、高校生198人、どちらか不明24人)
   
 
1)中学生・高校生別回答

 
2)男子・女子別回答

 
3)地域別回答

 
   
 
 
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