アンケートで「社会勉強重視派」が最も多かったわけだが、では、中高生たちは、どのような社会勉強ができると考えているのだろうか。フリーアンサーの中から、意見を拾い上げてみたいと思う。
◇働く意義が理解できる
「お金を稼ぐ事の難しさや大変さを知る事が出来て、お金を大切にするようになると思う(高1女子)」「今から働く事の喜びを知ることはいい事だと思う(中2女子)」
若者の就職意識が低下しているということをよく耳にする。それは、ひとつには、働くことの意義を喪失してしまっているということではないだろうか。実際に働くことを通じて働く意義を理解するということは可能であろうし、大切なことだと考えられる。
中高生の意見を見ると、お金を稼ぐ大切さ、自分のやりがい・喜びの発見という自分にとっての働く意義を見出そうという意見は多かったが、働くことを通じて、社会に貢献したいという意見は少なかった。中高生は社会的にはまだ与えられる立場であるから、仕方のないことかもしれないが、接客業など、自分のサービスにより客が喜ぶ顔を直接見ることが出来る仕事の経験は、自分が働くことが他人に役立っているという感覚を身に付けさせるには良いのではないかと思う。
◇自分の将来について考えることができる
「そのバイトをはじめたことによって自分が最もやりたいことが絞れたり浮かんだりもすると思います(中2女子)」「将来やりたい職業に近いバイトをすると、特にいいと思う(中2女子)」「2年生の時に、「職場体験学習」というのをやりました。すごく社会勉強になって、自分の将来の事について考えさせられた。できることなら、どんどんバイトとかしてみたほうがいいと思います(中3女子)」
中高生には、自分の将来の職業について考える機会が重要である。最近、学校でも職場体験学習が増えてはいるものの、まだまだ不足しているのが現状ではないだろうか。アルバイトと将来の就職が直接つながるとは限らないが、自分にどのような職業が向いているのか、どういう仕事であればできそうなのか、という感覚は大切であろう。
◇人間関係の大切さが学べる
「いろいろな人と関わりあいになれるし、人との接し方も学べるのでぜひ一度やってみるといいですよ(高1男子)」「社会勉強になるし、色々な人に出会って世界が広がるし、そこからの人脈が将来役に立つかもしれないから、私はいいと思いますよ(高2女子)」「社会状況もわかるが、それよりも学校と違う友達と仲良くなれることに引かれる(中3男子)」「社会での自分の立場とか、目上の人に対する礼儀とかも身につくと思う(中1女子)」
中高生は、普段クラスの仲間と行動することが多いであろう。そうなると同じ学校、同じ年齢の人との付き合いが多くなる。クラブ活動などでは先輩・後輩の関係もあるし、先生との関係などからも上下の人間関係は学べるが、やはりアルバイトなどをすると、全く異質な人との付き合いが多くなるのは確かである。そこから学ぶ人間関係は大切なことだと思われる。自分の立場や他人から自分がどう見られているのかという自己客観化をできるという意味では意義深いものと考えられる。
◇中高生も実は真剣に考えている
ご覧いただいたように、10代の中高生でも、しっかりと物事を考え、自分の意見を言える子は多い。身勝手な意見、的を得ない意見もなくはないが、大半は、相談者(アンケートの設定上、高校生がみんなに意見を求めている形式になっている)に対して、まじめにアドバイスしてあげている。以下のようにきちんとした意見をくれた高校生もいた。
「私は、現在高1ですが、コンビニで今年の春からバイトをしています。初めてのことの連続で、今までに体験した事の無い、お金をもらって働く、自分が、お客ではない立場で人と接するという新たな環境に身を置いて、とても新鮮で、今現在、毎日を生き生きと過ごしています。だから、私は、バイトには大賛成です。お金をもらって働くとはどういうことなのか、お金をもらう喜び、ありがたみ、そして、限られたお金を自分の意志と責任で使っていく、また、接客業を通して人と接する事についても、新しい角度で見ていく事が出来るし、何より、失敗もしたり、ドジを踏んで、先輩方に迷惑をかけてしまったり、お客さんに怒られたり、いろんなこともあるけど、そういう中で人間関係を学んだり、自分を見つめなおしたり、社会に身を置くことを知る、体験的なきっかけにもつながると私は思います。幸い、私はとてもあたたかな方にめぐり合う事が出来て、色々と教えていただきながら体験できるので、とっても感謝の気持ちで一杯です。どうぞ、一歩踏み出して、自分の環境に変化をつけてみてください。何か、今まで見えなかった事が見えてきたりもしますよ(高1女子)」 |