小嶋 ところで、受験生の数が増え、入ってくる生徒の数も多くなったことで、先生方の意識も変わっていったのではないですか。
近藤 変わりましたね。やればできるんだと。それと、1クラスだったのが2クラスになり、生徒数も100人近くに増えたことで、生徒の親が喜んでくれました。
組織や人事の改革も行い、賞与については、評価によって差をつけるようにしました。
一方、先生たちとの意思の疎通を図るため、食事会はよく行ないました。そのときに、生徒の様子や受験情報など、いろいろな情報を交換して、今後の方針を決める際の参考にしました。それと、毎日朝礼を行って、全員が同じ情報を共有できるようにしました。
また、本校では毎年、3月に翌年度の人事を発表して、その後に全員で宿泊ミーティングを行うんです。その時に、学校としての年度の振り返りと、次年度の目標を発表します。そこで、来年度はまたゼロからスタートして、新たな目標に向かおうと、皆の結束を固めるんです。
そして、毎年4月1日には新人を含めて箱根で合宿を行ない、そこでまた意思の確認を行ないます。
小嶋 年度始めに目標を立ててモチベーションを高めても、それを一年間持続させるのは難しいですね。一年間そのモチベーションを持続させるための工夫はありますか。
近藤 いちばん大事なのは、お互いに刺激を与えあうことです。そのためには、朝礼が効果的なんですよ。うちの学校では、気づいたことを朝礼で指摘し合うんですよね。いくらがんばろうとしても、疲れがたまってくると、どうしてもだれてしまいます。そういうとき、すかさず誰かがそういうことでいいんですか、と指摘すれば、ああ、ちょっとだれていたかなという自覚が持てますから。日々の刺激が重要なんです。
あと、行事が終わった後に打ち上げを行なうんですが、その場でトラブルなどを報告させるんですよ。そこで謝れば、その話はもうおしまい。そうすれば、わだかまりもなく次に移れます。普段から明るく、言いたいことは言える職場の雰囲気をつくるようにしています。ある意味、体育会系のノリですね(笑)。
小嶋 先生方の意識改革を行なっていったと同時に、事務方の意識改革も併せて行なう必要があったと思うんですが、その辺りはどうでしたか。
近藤 以前は教職員と事務方は意思の疎通もとれていなく、お互いの仲は決して良くなかったですね。私自身は副校長と同時に、事務長と生活指導をやっていましたから、校内を回りながらそれぞれの不満を聞いて、問題点を一つひとつ解決していくようにしました。今では、教職員と事務方が一緒になって教育しているんだという意識を持つようになったんです。生徒の服装が乱れていたときは、事務の人が注意することもあります。食事も教職員だけでなく、事務方も一緒に行きますし。
小嶋 やはり、教職員と事務方の意思の疎通がうまくいっていない学校は、改革しようとしても、うまくいきませんからね。
近藤 現在はマナー教室に事務方を行かせて、電話の応対からドアの開け方、メモの取り方まで、学ばせています。今では、毎週自分たちでミーティングを行なっていて、気がついたことをお互いに指摘しあっていますよ。事務方は学校の顔であるということを意識して、自発的にやっていますね。
小嶋 そのほか、内部的に変わったなという点はありますか。
近藤 理事会と現場の意思を一本化したことで、物事の決断が早くなりました。たとえば、中学を再開してしばらくの間、門が打ちっぱなしのコンクリートのままだったんです。それを、塾の先生から公立校みたいだねと指摘されたことがあるんです。校庭には花もないし、とにかく殺風景だったんですね。それで、すぐ業者に電話して、門を替えるよう工事を依頼しました。普通だったら予算をどうのこうのということからやらなければいけないんでしょうが、それでは時間がかかりますので。1カ月後には、門が新しくなっていました。そうすると、塾の先生たちもびっくりするんですよ。本当に変えたんですねって。それで、校庭にも花を植えたりして、雰囲気をどんどん変えていったんです。そうなると、内部の先生たちからもああしたらいい、こうしたらいいという意見が出て、皆でいろいろなことを変えていこうという雰囲気になっていくんですね。
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