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 教育インタビュー  
  私学における組織改革 課題と対応
  UFJ総合研究所シニアコンサルタント 土田 昭夫氏
   
 
  土田昭夫(つちだ あきお)
土田 昭夫 UFJ総合研究所シニアコンサルタント
早稲田大学法学部卒業後、株式会社西洋環境開発入社。
ミシガン州立大学大学院社会学研究科修士課程修了(労働関係・人事管理学専攻)。
株式会社三和総合研究所(現UFJ総合研究所)入社、現在に至る。
専門分野は、人事制度構築や組織改革。
主な論文に、「人事制度改革の戦略と実際」(共著、日本経済新聞社、02年予定)、「会社改革実務事典」(共著、産業調査会 、01年)、「成果主義人材マネジメントを実現するバランススコアカード」(「Human Capital Strategy Review Vol.6」00年)などがある。
   
 
少子化、長引く不況、教育政策の変化など、学校を取り巻く環境が急激に変化する中で、学校組織も変化への対応を求められています。ところが、組織は変えようと思っても簡単には変えることができません。そこには、長年培われた風土や仕事の性質に規定された構造上の問題など様々な問題が立ちはだかっています。
今回は、企業の組織変革の分野ですぐれた実績を残しているUFJ総合研究所の土田氏に、学校の組織はどのような特色を持っているのか、またその特色を持つことからどのような問題が起きているのか、そしてその問題を解決するにはどのようにすればよいのかといったお話をお聞きしました。
   
  まず、学校の組織は、企業と比べてどのような特色があるのかについて、お伺いしたいと思います。
 
まず初めに申し上げておきたいのは、企業の組織も学校の組織も、基本的には同じだということです。
  教員がいて、仕事があって、それを効率的にこなそうと組織をつくる。これは同じです。よく「私学は企業だ」と言われるように、私学はとくに企業と変わりありません。理事長という社長がいて、理事会という取締役会がある。そして、校長は執行役員ですね。基本的なマネジメントの構造は変わりません。
  ですから「学校は、企業とは違うから」と言って、企業で用いる組織改革の手法を拒む私学の先生もいらっしゃいますが、これは間違いです。使えるものは使えばいいと思います。おそらく、マネジメントの手法、組織改革の手法については、企業のほうが様々な取り組みをしていると思いますから。
  これをまず念頭に置きながら、話を進めていきたいと思います。
  なるほど。私学も企業も組織の基本的構造は同じということですね。
 
ただ、学校には「学校の特色」というものがあります。と言いますか、企業の中でも業種や会社の規模などによって、様々な組織の特色があります。学校と企業の差異というよりは、教育サービスを提供する中小規模の事業体の特色と言ったほうがいいかもしれませんね。このへんを、まずご説明していきましょう。
  私は、学校組織には大きく言うと、四つの特色があると考えています。

 一つめは、「組織として非常に複雑」であるということです。
  それは、一人の教員が多くの種類の仕事を持っている、というところに要因があるように思います。学校では一般的に、教科、学年、校務ごとの組織があり、教員はそれぞれ、一つずつに属しているということが多いようです。そして教員によっては委員会に属したり、クラブ顧問をしたりと、たくさんの仕事を背負っているというのが特色ではないかと思います。
  学校以外の組織では、一人一つの組織に所属し、自分の専門分野を持つというのが普通です。そして、その専門性を高めることで、組織効率を上げようとします。
  学校の場合は一人が、三つ四つの組織に属するという非常に複雑な構造になっており、一人で様々なことを一度に処理しなくてはいけないという大変さがあります。

 二つめは、「閉鎖的な組織」ということが言えるのではないでしょうか。
  公立学校なら、転勤などで学校間のローテーションがありますが、私学の場合は、原則的に学校をまたいだ異動というものはありません。また、企業ほど転職の機会というものもありません。当たり前ですが、数学科の先生が国語科の先生になる、ということも起こらないですよね(笑)。同じ仕事を同じメンバーで、何十年もやっていく組織だということです。

 三つめの特色は、「平等意識が強い組織風土である」ということが挙げられます。
  これは、教員の仕事の特性に原因があるのではないでしょうか。新人であろうが、ベテランであろうが、同じように生徒からは「先生」と呼ばれる立場です。そのため、「学校組織の中では、みんな平等」ということを、強く意識せざるを得ないのでしょう。
  たとえば、他人から命令されることを嫌がったり、物事を決める際には全員のコンセンサスをとりつけなくてはいけないなどということは、そういう学校組織の風土が背景にあるのではないでしょうか。

 四つめの特色は、「リスク回避思考が強い組織風土である」ということです。
  何か新しいことに取り組もうとすると、必ず誰かが「それを行うことによるリスク」を持ち出して反対しませんか? 何か行おうとすれば、必ずリスクはつきものです。それをいちいち出してきたら、何も進みません。おそらく、「リスクをとって成功する」という体験を持ちづらいということが背景にあるのでしょう。
  その原因は、「学校としての成功」はどのようなものなのかという定義がはっきりしていないからだと思います。定義が曖昧なため、リスクをとって「成功に向かって頑張る」、「成功して満足する」という体験がしづらいのではないかと思います。
  成功する体験がしづらいのに、その反面、保護者などのクレームがあれば、そのときは責められる。つまり、全然褒められなくて、叱られる一方です(笑)。こうなると、リスクはなるべく避けて通りたいという風土ができあがっていくのも、仕方ないのかもしれません。

 以上の四つが、学校組織の大きな特色だと思います。はじめの2つが「組織構造」の問題で、あとの2つが「組織風土」の問題ということが言えるでしょう。
  では、これらの組織の特色からくる問題点についてお聞きしたいと思います。まず、組織の複雑さから起こる問題ということではいかがですか。
 
まず教員は、教科・学年・校務など複数の組織に所属しているため、組織ごとに、みんなで力を合わせて頑張ることが、難しいということが挙げられます。
  実際、一人がいろいろな仕事を持っているので、組織の人全員が一同に集まって、話し合いをするという時間が少ないように思いますね。
  月曜日から土曜日までの時間割で、授業が埋まっているのは半分強くらいです。残り半分は、授業の準備をしたり、他の仕事をするための空き時間なのですが、個々には空いた時間があっても、ある組織の全員が同時に時間を合わせるのは困難です。公式の会議ももちろんですが、ちょっとした話し合いもできずに、コミュニケーション不足の状態になっているのではないかと思います。
  みんなが集まる、まとまった時間がとれないと、会議が連絡会や報告会になってしまい、本質的な議論は先送りにされてしまいます。こうなると、「今のやりかたを見直そう」とか、「新しい取り組みを始めよう」という議論は起こってきません。学校改革の難しさは、このあたりに原因があると思います。
  組織が閉鎖的であるということからくる問題はいかがでしょうか。
 
  組織が閉鎖的で同じメンバーでずっと仕事をしていると、刺激が少なくなります。そうなると、他人から受けた刺激で自分を振り返るということも少なくなります。相互学習が起きにくい組織になってしまうんですね。
  私学は、定年退職者の代わりに新人が入るという入れ替えはあっても、ほとんど顔ぶれは一緒です。教員同士、お互いに批判はしないし、年功序列だから、新しく入ってきた人は、疑問に思っていることが言えない雰囲気なのではないでしょうか。
  私学は企業で言うと、知的職人の集まりの中小規模の企業と似たところがあります。知識レベルが高いのに、「お互いに高め合う」、「学習し合う」ということが、なかなか起こりにくい組織だと思います。
  しかし、新しい血が入り、今までやっていなかったことを始めると、新しい見方がそこに生まれます。なかなか変わるきっかけがないのは、自分たちの仕事に慣れてしまい、今までの仕事を振り返る機会がないからです。
  「平等意識が強い組織」ということについてはどう思われますか?
 
まず、学校の組織には、会社でいう「中間管理職」という役割がありません。
  部長や主任という役割がありますが、必ずしもミドルマネージャーとしての責任と権限は与えられていません。多くの場合、単なる「連絡窓口」か、せいぜい「まとめ役」程度の位置づけになっています。
  本来学校として果たすべき機能(仕事)を学校や教科、校務分掌という組織に分けているわけですから、その組織ごとに、ある程度自律的に動かなければ効率的な組織運営は出来ません。ところが、「教員は全員平等」という意識が強いからでしょうか、そのような組織にはなっていませんね。
  この教員の平等意識の最たるものは、「職員会議」です。形式上は、校長の意思決定を助けるために教職員の意見を求める場ということになっていますが、実際には職員会議で通らなければ、何事も前に進まないということになっていますよね。
  ここには、二つの問題があります。一つは、何事も校長の決裁が必要な組織になっているということです。
  学年のなかで判断できることは学年主任に、進路指導部のなかで判断できることは進路指導部長にと権限を委譲しなければ、組織が効率化できません。
  もう一つの問題は、全員の意見を聞くことが必要か、ということです。
  ちゃんと実行するためには、全員のコンセンサスが必要だという理由もわからなくはないですが、企業で全社員を集めて会議をして決めているという話は聞いたことがありません。だからと言って、仕事がちゃんと進まないかといえば、そんなことはありません。なぜかと言えば、組織がきちんと機能しているからなのです。各組織長が会議に参加すれば充分なのです。そのためのマネージャーですから。マネージャーが常に組織内の意見や動きを把握していて、責任を持って皆を代弁できるようになっているのです。逆に全体の決定を皆に伝えて、仕事をさせる権限も持っているのです。
  平等意識の強い学校組織のなかでは、このミドルマネージャーの存在を認めようとしません。平等意識から離れ、主任に責任と権限を与えることによって上がる「組織の効率化」をもっと考えていってもよいのではないでしょうか。

  最後に四つめの「リスク回避思考」についてですが、この思考は、どんなことから起きて、どこに問題があるのか? 結果として何がおきているのか? ということをお伺いしたいのですが。
 
  「新しいことに取り組もうとしない」ということが一番問題でしょう。
  放っておいたら、受験生が集まる時代ではありません。「自分の学校の良さ」を積極的に世間にアピールしないと、生徒を集めることができないという時代に変化しています。
  けれど学校組織には、「前の年と同じことをやっていれば無難だ」というリスク回避の風土が残っているように思います。「変わろう」と頭では考えていても、「他の学校はやっているんだろうか?」と、まわりを確認してからでないと動けない。しかし、そのときはもう遅いのです。
  学校といえども、経営面では企業と似たところがあります。
  企業であれば、自社商品には何らかの特徴を持たせ、「その商品でなければ」とか「そのサービスでなければ」と、消費者に支持されるものを作ろうとします。私学も同じです。「この学校でなければ」という際立った特色がないと、生徒が集まらないという時代になっているのです。
  また、組織としてのリスク回避思考ばかりでなく、教員個人にも「大変になるのがイヤ」という思考が根強いですね。
  新しいことを始めるということは、ある意味リスクを持つということです。でも、「これが成功」という基準が学校組織にはありませんから、せっかくリスクを背負って新しいことを始めても達成感を得ることができない。それで、「批判されなければいい」、「マイナスにならなければ成功」という風土ができてきたのではないでしょうか。
  それは、サービスに対する要求基準が高すぎるのが原因としてあるかもしれません。保護者の要求は、教員が頑張れば頑張るほど、どんどん高くなっていきます。さらに、継続し続けなければ、「どうして去年はやったのに、今年はしないのか」というクレームもでてくる。それで、新しいことに取り組むエネルギーが低くなってしまっているのかもしれません。
  さて、ではこれらの四つの課題に対して、その解決法は、どのようなものがあるのでしょうか?
 
  その組織の状態や置かれかた、環境によって様々な解決法があると思いますが、ここでは、その中から三点を挙げてみたいと思います。
  まず、学校が提供するサービス、教職員が行う仕事を、もっと絞りこんだほうがいいということです。
  絞り込むことが、「特色ある学校」につながるのではないでしょうか。「何をやるか」ではなく、「何を捨てるか」です。サービスを選択し、それに集中することが大事です。
  絞り込んだ結果、「やれない」と判断した事については、あきらめるのではなく、他の学校と手を組んだり、外部の力を活用すればいいと思います。
  他校との部活動の合同練習など、積極的にやってみてはどうでしょう。また、事務的な業務なども、外部の力を使ったほうがより効率的で効果が上がるのであれば、それらを使ってもいいのではないでしょうか。コンピューターの維持・管理なども、外部に頼んでもいい仕事ですね。企業では「アウトソーシング」といって、外部の力を活用することが戦略的取り組みとして定着しつつあります。私学においても、外部の力をどんどん活用するとよいと思います。
  苦しい状態の中で何とか頑張ろうとしている私学は、何をやろうかと一生懸命プラスしていっているところも多いのではないかと思います。でも、「何をやらないか」ということも考えていかないと、ますます仕事が増えていくばかりです。そうなると、本来やらなければならないこともできなくなります。
  学校の本質である「優れた教育を提供する」ということと照らし合わせて、本当に価値のあるものとないものとを、きっちり分けて、どうしたら価値のあるものだけに集中ができるかを考えていっていただきたいと思います。
  たとえば、「生徒と対面して指導をする」ということは、とても価値のあることです。生徒と対面する時間を増やすために、これをやめたら学校経営が破綻すると思われるもの以外は、全部やめてしまうというくらいの覚悟で見直さないとダメでしょう。
  今している仕事をきちんと整理して、なるべく少ないことにエネルギーを集中できるような組織にしていかないといけません。まずは、仕事を全部洗いなおすことが必要だと思います。
  我々が企業でお手伝いするときは、「業務分析」という手法を使います。外部の目で客観的に、今している仕事の分析をしてもらうことは、非常に大切なことだと思います。

  今までと違う目線…外部からの新しい視点で見直すことは、大切かもしれませんね。 では解決法の二つめは、どのようなことでしょうか。
 
それは、リーダーシップを発揮する方を育てて欲しいということです。
  リーダーは、成功に至る過程をきちんと打ち出し、言葉にしてチームに伝えなければいけません。そして、各々の役割分担をきちんと決め、それらを正当に評価し、チーム全体を励まして成功に導いていく役割を持っています。
  学校組織でリーダーシップを発揮すべき方は、やはり校長、教頭先生です。
  しかし、多くの仕事が校長、教頭先生に集中し過ぎている気がしますね。ですから、主任の先生たちがミドルリーダーとしてもっと機能していくべきだと考えています。
  校長先生とか教頭先生は、文字通り、管理職です。けれど主任の先生には「管理する」役割ではなく、リーダーになって欲しいと思っています。
  リーダーは管理職ではないので、評価や査定はしません。たとえば、「学校の進路指導とはどうあるべきか」という議題があれば、それについて、しっかりとした考えを持ち、周りを説得して引っ張っていくのが役割です。教科、学年、校務…それぞれに、ふさわしいリーダーがいると、組織はもっとスムーズに機能するのではないかと思います。
  教師は生徒に対しては、リーダーシップを発揮していますよね。同じように教員同士でも、リーダーになったときには、生徒に対するようにリーダーシップを発揮すればいいのでしょうか。
 
教員同士では、教室で発揮しているような、「権威によるリーダーシップ」は無理でしょう。
  では、どうすればよいかと言えば、本校のあるべき姿、つまり「ビジョン」と「目標」を明確に掲げて、確固たる信念を持って周囲に語りかけ、巻き込んで行くという「ビジョンと情熱によるリーダーシップ」が求められていると思います。
  「本気でやる気になっているな」と周りが評価すれば、ついてくる人はいます。仕組み面の改革ばかりでなく、「真剣に学校のことを思い、改革を進める心」も今の学校組織にとって、重要なことだと思います。
  リーダーになるためのスタートラインは、「自分たちの周りで何が起きているのか」ということをしっかりと把握することから始まると思います。
  まず、世間はどうなっていて、自分たちはどういうポジションにあって、これからどうやれば上手くいくのか、ということを真剣に考えることがスタートラインになるでしょう。
  よく「学校の常識、世間の非常識」という言葉を聞きますが、自分たちのポジションを客観的に見られないということについては、多くの企業も同じことです。それに、気付いた企業は、異業種交流などをいち早く始めています。違う企業同士が集まって、「これからどうやって時代を切り開いていこうか」ということを、真剣に議論しあっているグループはたくさんあります。
  学校組織でも、そういう外部からの刺激を受けることによって、自分たちの学校の置かれた立場について考えるきっかけができるのではないかと思います。

  リーダーシップを発揮するためには、内部のコミュニケーションも必要です。
 せっかく良い芽が出てきても、リーダーシップが育つ組織の土壌がないとつぶれてしまいます。リーダーは、自分の意見をみんなに伝えなければいけませんから、内部のコミュニケーションが活発でなければ、せっかくのリーダーシップもなかなか発揮できません。
  しかし、先ほどお話したように、コミュニケーションをとりたくても、物理的にも時間がないし、意識的にもお互い話し合うという環境がないということもあると思います。
  その場合は、春休みや夏休みなど、長期の休みを利用するとよいのではないでしょうか。学校全体が休みのときですから、教員全員が集中して考える時間ができると思います。
  いきなり、「学校をどうするか」という話し合いは無理でしょうから、まずは学校を離れて、気軽なテーマで何でも話し合える環境をつくってみたらどうでしょうか。
  そうですね。最初は無理矢理にでも、教師間のコミュニケーションの時間を作るということが大事でしょう。夏休みに、研修合宿をやるなど、実際に行動してみれば、そんなに難しいことではないかもしれません。では最後に、三つめの解決策をお聞かせください。
 
 学校には、企業でよく言われる「サービスの質を高める」という感覚が少ないように思います。
  たとえば、学校で一番重要なことである「授業」についての評価は、絶対必要なことです。自分でやっている授業を、自分自身から切り離して客観的に評価してみる。それは、個人の人格を評価するのではなく、「その授業で使ったテクニックが、生徒に対して有効であったかどうか」ということを冷静に評価するということです。
  己研鑽をし、仕事のレベルアップを意識しましょうということですね。
 
 教師の個人的な自己研鑽と合わせて、学校でも、生徒や保護者から意見を聞き、それを反映させるよう努力して欲しいと思います。
  意見の中には、クレームなども多くあると思います。しかし、企業の世界でいえば、そのクレームは「宝」です。良いところは改善の必要性は低いわけですから。言いかえれば、クレームこそが次の商品の価値を生むのです。
  また、一年を振り返ってきちんと反省し、その翌年は「それにどうやって取り組むか」ということを活動計画に盛り込んで改善していくとよいと思います。企業でいうと「PDCA」という活動です。計画し(Plan)、実行し(Do)、評価し(Check)、改善する(Action)。そういった「やってきたことを振り返る」という基本ステップのサイクルを習慣として持つようにするとよいでしょう。
  個人ばかりでなく、組織も「去年より何が変わったか」ということを、常に意識していかないといけないのですね。
 
  ずっと同じことを繰り返していれば、はっきりいって、企業なら潰れます。
  毎年、「新しい自分」、「新しい授業」だと思って取り組むくらいの気持ちがないと変われないと思います。
  個人としても、学校組織としても、「去年より新しい何か」を目指していって欲しいと思います。
   
 
土田氏は、「私学といえども組織問題は企業と同じだ」と言います。もちろん、学校は営利組織ではないので、企業のように利益に貢献したかしないかという評価が出来ないという決定的な違いがあります。
しかし、それが全ての変革を拒む理由にはならないと思います。土田氏の提唱した「事業の選択と集中」「リーダーの育成」「自己研鑽のためのPDCA」などは、学校として取り組んでも全く違和感のないものだと思います。
戦後の学校教育の歴史の中でも、現在ほど組織変革を求められている時期はないと思います。「前例がないからやる」。これを合言葉に、私学全体が変化に「耐える」のではなく、果敢に「挑戦」していくことが、いま我々に求められていることなのではないでしょうか。
今回、土田氏にお聞きした話には、学校の組織変革に関する根本的な問題提起が含まれていたと思います。実際には、もっと多くの話をいただいておりましたが、紙幅の関係上、一部分だけしか掲載できませんでした。もっと詳しい話をお聞きになりたいという方がいらしゃいましたら、コアネット教育総合研究所までご連絡ください。直接、お話していただく機会をつくれるよう調整いたします。
   
  「私学マネジメントレビュー」第4号(2002年4月発行)より転載
   
   
 
 
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